論文発表よもやま裏話

    博士課程学生 カルロス ロドリゲス

どちらが長くてどちらが短い?細胞が、定規を使わずに染色体部位の長さを比べることができる分子メカニズムとは?

この「よもやま裏話」シリーズでは、研究者による論文発表にいたるまでの苦労話、論文に書かれてない裏話などについてインタビューします。今回は、2024年にCurrent Biology誌に掲載された論文の筆頭著者である博士課程学生ロドリゲス カルロスさんにインタビューしました。

減数分裂は、DNAを2回連続して分離する特殊な細胞分裂です。線虫C. elegansは、ホロセントリックと呼ばれる構造の染色体を持ち、減数分裂では、染色体の部位の長さを測ることで、減数分裂における染色体の分離面を決めていることが知られていましたが、このメカニズムは不明でした。本論文では、このメカニズムについてモデルを提唱し、この一部を支持する実験的証拠とシミュレーション解析の結果を得ることに成功しました。細胞は、生体分子の物理化学的性質を利用して、細胞内器官などの大きさや長さといったサイズを検知、調節することができることが知られていますが、本研究は、細胞が染色体の部位の長さを比べて、どちらが長い、どちらが短いということを検出できる分子メカニズムについて、新しいモデルを提唱しました。

Q1. What are the findings of your paper?

During meiosis, each chromosome of C. elegans needs to be split into two domains with different lengths by a crossover, and later they must identify which domain is shorter and which domain is longer to segregate correctly during the first meiotic division. The aim of my project is finding the mechanism by which the chromosomes can measure and compare the lengths of said domains. I used fluorescence and superresolution microscopy to look at the localization of phosphorylated SYP-1, a member of a group of proteins called the synaptonemal complex that holds homologous chromosomes together. I found that wild-type chromosomes rarely make any errors during the identification of the shorter domain that recruits phosphorylated SYP-1. Later, I found evidence using fusion chromosomes and diffusion of a photoconverted protein to support a model where a signal that originates from the crossover and diffuses through the synaptonemal complex accumulates faster on the physically smaller segment of the chromosome that is eventually identified as the shorter domain. The diffusion and accumulation of the signal is the driving mechanism for the measurement of the domain lengths.

Q2. What was the most exciting moment in this project?

In wild-type chromosomes, the short domain is marked by the localization of phosphorylated SYP-1 from the crossover to the nearest chromosome end. To me, the most exciting moment in the project was when I used fusion chromosomes where multiple crossovers can be designated and found that phosphorylated SYP-1 could be found in the middle segment of the chromosome, between the two crossover sites with no bounding chromosome ends. This middle segment was also the longest segment of the chromosome, indicating that phosphorylated SYP-1 was not necessarily restricted to the shortest segment. These features were the key observations that led to the development of the signal diffusion and accumulation model to identify the short domain in wild-type chromosomes.

Q3. What was the most challenging part in this project?

The most challenging part of the project has to be the experiments where I tracked the diffusion of a photoconverted signal along the chromosome axis. In this experiment I used a photoconvertible protein to track the diffusion of a synaptonemal complex element in the chromosome axis. This was a difficult and laborious experiment because I had to fine-tune every single parameter of the assay to get good quality results. It cost a lot of effort and time but I am very happy and satisfied with the results where I show that the crossover sites are barriers for the diffusion of the synaptonemal complex, a key feature of the diffusion and accumulation model.  

論文 “Length-sensitive partitioning of Caenorhabditis elegans meiotic chromosomes responds to proximity and number of crossover sites” C M Rodriguez-Reza et al., Current Biology doi: https://10.1016/j.cub.2024.09.034

 

論文発表よもやま裏話

 

博士研究員  

佐藤ーカールトン綾

 

正常な精子と卵子を生み出すためには、減数分裂とよばれる特殊な細胞分裂において、染色体が正しく分離される必要があります。佐藤研究員を含むカールトン研究室のグループは、今回、減数分裂において正しく染色体を分離するメカニズムの一端を明らかにしました。(Sato-Carlton et al., PLOS Gen 2020)  

この「よもやま裏話」シリーズでは、研究者による論文発表にいたるまでの苦労話、論文に書かれてない裏話などについてインタビューします。

今回は、筆頭著者の 佐藤綾 研究員にインタビューします。

  1. この論文で最も重要な発見について教えてください! 

減数分裂は、1回のDNA複製のあと、2回連続して染色体を分離してゲノムを通常の半分量にすることで、精子と卵子を生み出す特殊な細胞分裂です。精子や卵子を作るためには、正しい数の染色体を、将来精子や卵子になる予定の細胞に分配する必要があり、減数分裂におけるエラーは、人間の場合、不妊や流産、染色体異常症などにつながります。

染色体を2回連続して分離するためには、分裂の前に染色体を、減数第一分裂において分離する部分、減数第二分裂において分離する部分の2つのドメインに分けておく必要があります。線虫とよばれるモデル生物を用いて、このドメイン分けを制御する分子メカニズムについて調べました。

線虫はホロセントリック染色体と呼ばれる染色体構造をとり、相同染色体が交叉を起点として短い方(短腕)と長い方(長腕)に分けられ、減数第一分裂では短腕において染色体を分離し、第二分裂では長腕において分離します。交叉は、染色体上の任意の場所に作られるため、どのように交叉の相対的な位置が検知されて、短腕と長腕という二つの分離ドメインが確立されるのか?には多くの謎が残されています。

私たちは、この短腕と長腕のドメイン化には、染色体の軸タンパク質であるHIM-3が、リン酸化修飾をうけて、最終的に短腕のみに集合することが目印の一部となり、短腕が確立されることを明らかにしました。HIM-3は、ヒトHORMADタンパク質のホモログです。 

2. 今回の研究において、一番感動した点、面白かったことを教えてください!

私たちは、質量分析解析よりHIM-3タンパク質がリン酸化されることを見つけていました。そこで、リン酸化されたHIM-3のみを認識し、リン酸化されていないHIM-3は検出しない抗体を作製し、卵母細胞のどこでリン酸化されたHIM-3が働いているのかを調べました。免疫染色により、何百個と並んだ減数分裂前期の卵母細胞を高解像度顕微鏡でみると。。。。減数分裂前期の初めは、染色体の軸全体に広がっていたリン酸化HIM-3が、交叉ができると徐々に短腕に集まっていくのがわかりました。線虫の生殖腺は、何百個という生殖細胞が細胞周期の順番通りに、お行儀よく並んでいるため、細胞の経時的変化が1つの生殖腺を観察することで可視化されます。リン酸化HIM-3の染色が、あぁとてもキレイだなぁと思って、お行儀よく並んでいる卵母細胞たちをしばらくぼーっと眺めたのを覚えています。

3. この論文で最も困難だったのはどのような点ですか? 

この研究は、実験自体は比較的スムーズに進んだのですが、実験結果を論文化しようと思った矢先に、Covid-19によるパンデミックが起こり、また同時に第二子の妊娠がわかりました。パンデミックの初期は、死亡率も比較的高く、また妊婦が感染すると、胎児にどのような影響が出るかという点が全く不明でした。そこで、夫と交代で、上の子を2ヶ月間、完全に家庭保育しつつ、妊娠初期の体調不良やパンデミックへの不安もある中、在宅で論文を書き始めました。パンデミックの初期は、情報と社会的政策が混乱し、とにかく他人との接触を避け、公園の遊具でさえも接触回避のため封鎖される中、子供の相手をしつつ、論文のデータをまとめ、執筆する必要がありました。しばらくは研究室も、時間交代制でしか作業できなかったため、リバイスの実験は、とても限られた時間内で集中して作業する必要がありました。結果としては、同年のうちにアクセプト、掲載されて本当にほっとしました。    

   

論文 Phosphoregulation of HORMA domain protein HIM-3 promotes asymmetric synaptonemal complex disassembly in meiotic prophase in Caenorhabditis elegans

Aya Sato-Carlton et al., 2020, PLOS Genetics, https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1008968

 

論文発表よもやま裏話: DSB-1

筆頭著者Guoさんの卒業式

正常な精子と卵子を生み出すためには、減数分裂とよばれる特殊な細胞分裂において、父方と母方の相同染色体の間に交叉(キアズマ)と呼ばれるDNAの組み換え構造をつくる必要があります。

Heyun Guo博士課程学生(当時)を含むカールトン研究室のグループは、今回、この染色体間の組み換えを制御されるメカニズムの一端を明らかにしました。(Guo et al., eLife 2022)  

この「よもやま裏話」シリーズでは、研究者による論文発表にいたるまでの苦労話、論文に書かれてない裏話などについて研究者にインタビューします。

今回は、責任著者であるカールトン准教授に質問します。

1. この論文で最も重要な発見について教えてください! 

減数分裂において、父方と母方から受けついた相同な染色体を分離するためには、分裂の前に、母方と父方のDNAのどこかを切って、つなぎかえることで交叉もしくはキアズマと呼ばれる連結をつくっておく必要があります。このDNAの繋ぎ替え(相同組み換え)を起こすためには、細胞は、わざわざDNAを切断する酵素を作って、DNA二重鎖を切断する必要があります。この時、十分な数のDNA切断が作れない生殖細胞は、交叉を作ることに失敗し、減数分裂に失敗する可能性が高くなります。一方で、DNAを切断しすぎると、修復しきれない傷がゲノムに残り、これはやはり、ゲノムの不安定化、ガン化などにつながります。そこで、生殖細胞では、多すぎず少なすぎない程度に、DNA二重鎖を切断することが重要ですが、この分子メカニズムは謎でした。私たちは、線虫の卵母細胞を用いて、このメカニズムを明らかにすることに挑みました。 

その結果、私たちは、このDNA切断量の調節が、DSB-1と呼ばれるタンパク質の活性が制御されることで、調節されていることを明らかにしました。私たちは、DSB-1は複数箇所でリン酸化を受けており、リン酸化が、DSB-1の活性をオフにするスイッチになっており、脱リン酸化が活性をオンにするスイッチとなっていることを見つけました。また、このリン酸化は、PP4と呼ばれる脱リン酸化酵素と、ATRと呼ばれるリン酸化酵素によって調節されることも明らかにしました。ATRリン酸化酵素は、DNA切断が増えてくると、活発に働き出す酵素であることが知られているため、細胞が、既存の酵素を巧みに利用して、多すぎず少なすぎない量のDNA切断を作っているメカニズムを明らかにすることができました。 

2. 今回の研究において、一番感動した点、面白かったことを教えてください!

この研究を進めている間に、AIによるタンパク質構造予測ツール(AlphaFold)が開発され、早速このAIを用いて、DSB-1とその結合因子DSB-2、DSB-3との結合様式を予測してみました。すると、DSB-1とDSB-2が対称的に絡み合った隙間を突き抜けるようにしてDSB-3が貫通するという、三つ巴の構造が予測されました。同様な構造がDSB-1のマウスや酵母のホモログRec114を用いた構造予測からも予測されてきたため、非常に興奮しました。

始め、この構造予測についてのデータを、論文のSupplemental Figureに入れて、論文を投稿したのですが、複数のreviewers(審査員)から、「このデータは面白いからMain Figureに入れた方がよい!」と言っていただき、最終的に、Main Figureに入れることになりました。この時、AIによるタンパク質構造予測が、いかに多くの研究者から「使えるツール」として認識されているかということを実感しました。

また、私たちの論文が掲載されてから1年も経たないうちに、世界の大御所の研究室から、酵母やマウスにおけるDSB-1ホモログ分子の構造解析を行なった論文が次々と投稿されており、我々は、実はHotな(面白いために競争が激しい)分野にいたのだな!と後から気がつきました。世界的に競争が激しい研究分野において、他の研究室に先立ってDSB-1を含む複合体の構造予測を提示できたのは、とても幸運でした。 

3. この論文で最も困難だったのはどのような点ですか? 

この研究では、始め、かなり大規模な遺伝学的スクリーニングを行なって、DNA切断を制御する関連因子を見つけようとしていました。しかしこのスクリーニングは、我々が予期していなかった事情(スクリーニングに使用していた線虫株のゲノムに隠されていた問題)により失敗に終わったのですが、気持ちを切り替えて、既知のDNA切断制御因子にターゲットを絞り解析を進めました。その結果、DSB-1のリン酸化の発見とその機能を明らかにすることができました。スクリーニングに失敗したとわかった時は、とてもがっかりしましたが、そこで諦めず、最終的にDSB-1の働きを明らかにするところまで辿りつくことができ、本当に嬉しかったです。

この論文は、カールトン研が、iCeMSから大学院(生命科学研究科)に移籍してはじめて受け入れた大学院生の博士号の根拠論文となりました。研究室から輩出するはじめての博士号を、このように良質な論文を元に取得させることができ、大変誇りに感じました。

論文 Guo et al., 2022. “Phosphoregulation of DSB-1 Mediates Control of Meiotic Double-Strand Break Activity.” eLife 11 (June). https://doi.org/10.7554/eLife.77956.


論文発表よもやま裏話: SYP-1phos

論文の著者のメンバー

(左上から、カールトン准教授、佐藤博士研究員、Chartrand技術補佐員、内野技術補佐員、中村技術補佐員)

減数分裂とよばれる特殊な細胞分裂では、1回のDNA複製のあと、2回連続して染色体を分配することで、精子や卵子を生み出します。 

今回、カールトン研究室のグループは、モデル生物線虫において、SYP-1というタンパク質のリン酸化が、減数分裂における染色体の分離面を決める際に、重要な働きをすることを見つけました。(Sato-Carlton et al., Journal of Cell Biology 2018 (e-published in 2017))  

この「よもやま裏話」シリーズでは、研究者による論文発表にいたるまでの苦労話、論文に書かれてない裏話などについて研究者にインタビューします。

今回は、筆頭著者である佐藤研究員に質問します。

 

1. この論文で最も重要な発見について教えてください!

減数分裂では2回連続して染色体を分離しますが、2段階で秩序立てて正しく染色体を分配するためには、前もって、減数第一分裂で切り離すのはココ!、減数第二分裂で切り離すのはココ!と染色体の分離面を決めておいて、それぞれのタイミングで、切り離しに必要な制御因子を正しい分離面に集結させることが重要です。これが混乱してしまうと、正しく染色体を分配できず、間違った数の染色体をもった卵子や精子を産出してしまうことになります。

モデル生物線虫は比較的ユニークな染色体構造をとっており(holocentric chromosomes)、この染色体分離面を決めるのに、減数分裂前期に作られる交叉からみて、染色体末端まで短い方の染色体領域(短腕)を、第一分裂における分離面とし、交叉からみて染色体末端まで長い方の染色体領域(長腕)が、第二分裂における分離面としていることが、知られています。交叉は、生殖細胞ごとに任意の場所に作られますので、これは、「細胞が、ランダムに作られた交叉の相対的な位置を検出して、染色体腕のどっち側が短くてどっち側が長いかを判断できる」ということを示していますが、そのメカニズムは謎でした。  

今回私たちは、減数分裂前期に染色体の軸のような構造を作っているSYP-1と呼ばれるタンパク質がリン酸化されることを見つけ、最終的に、このリン酸化されたSYP-1が短腕に集まって下流の染色体分離因子を誘導することで、染色体の分離面を決めるのに貢献していることを明らかにしました。現在は、どのようにしてリン酸化型SYP-1は短腕を認識して集まってこられるのかという点を明らかにしようとしています。  

2. 今回の研究において、一番感動した点、面白かったことを教えてください! 

研究では往々にして、実験の鍵となるツールや材料の使いやすさや質に、研究の進行が左右されるのですが、今回は、まさにそのケースでした。私たちはまずSYP-1タンパク質の452番目のスレオニンがリン酸化された時にだけ、その構造を認識する抗体を作り、この抗体を用いて細胞を染色し、リン酸化型のSYP-1が細胞内のどこにあるのかを観察してみました。するとこの抗体が、とにかく、とても綺麗に染色してくれる抗体で、また染色パターンも美しく、この抗体に導かれるように、本研究は進みました。

このような言い方をすると、とても幼稚に聞こえるかもしれませんが、私にとって、研究対象がビジュアル的に美しい、というのは結構大切で(笑)、ウエスタンブロットで白黒のバンドをみていてもつまらないですが、抗体染色で細胞核内の面白い構造や、綺麗な染色パターンが見えると、俄然やる気になります。リン酸化型SYP-1の局在(居場所)が減数分裂前期が進むにつれてダイナミックに変化し、それが機能に反映されているのが、顕微鏡の観察からよくわかり面白かったです。 

あと、分子生物学の「あるある」ではありますが、このSYP-1のリン酸化が働く分子経路以外にも、redundantに染色体の分離面を決めている経路があるらしく、変異株を単体で解析しても、予測していたほど強い表現型はでないということがわかりました。細胞にとって重要な機能を制御する分子回路は、たまたま1つの分子回路が破綻しても、他の分子回路がredundantに働いているため、全体としては破綻しないように組まれていることが多いですが、SYP-1リン酸化の関わる分子回路もその一例だと思います。SYP-1のリン酸化ができない変異株を作製し解析した際、減数分裂直前までの卵母細胞の表現型解析からは、正常な卵子がほとんどできずに子供も産めないのではないかと予測されたのですが、蓋を開けてみると、この変異株は、そこそこ子供を産んでくることがわかりました。SYP-1のリン酸化が起こらないと、染色体の分離面を決めるのがとても遅くなってしまうのですが、一部の卵母細胞では、分離の直前になんとか辻褄を合わせて、分離面を決めているようです。細胞の機能を堅牢に守るredundancyがみられたことも興味深い点でした。 

3. この論文で最も困難だったのはどのような点ですか? 

この論文は、ラボの引っ越しのごたごたがあり、また産休復帰後で自分の体調が万全ではなかった時期に論文化する必要がありました。自分と子供の体調がとても不安定な中、学部生の技術補佐員(中村さん、内野くん、Chartrandくん)にかなり助けてもらって、論文を仕上げました。論文の一部のデータは、学部生の技術補佐員が取得してくれたものですし、また組み換え線虫株の一部も学部生が作製してくれたものです。信頼できる技術補佐員が揃っていて本当によかったと思いますし、このメンバーがいなければこのタイミングで論文化はできなかったと思います。この論文に直接貢献はしていなくても、当時、ラボの引っ越しやその他のプロジェクトを手伝ってくれていたその他の学部生の技術補佐員のみなさんにもとても感謝しています。この論文は、学部生の貢献が本当に大きかった一報でした。 

論文:Phosphorylation of the synaptonemal complex protein SYP-1 promotes meiotic chromosome segregation  Aya Sato-Carlton,et al. J Cell Biol (2018) 217 (2): 555–570. https://doi.org/10.1083/jcb.201707161


卒業生の声

カールトン研で研究の経験を積み、卒業していった卒業生の、現在のキャリアや研究室の印象などをインタビューしました。

Chihiro Nakamura

1人目は、大学院での海外留学を目指して、京大理学部1回生の時から、カールトン研において5年間、実験補助員として働いてくれた中村さんにインタビューします。中村さんは理学部の間、学部生実験補助員として働いた後、1年間、カールトン研においてフルタイムの研究補助員として働いていた間に、見事、カリフォルニア大学バークレー校の大学院に合格しました。その後、バークレー校においてPh.D.を修得した後、カリフォルニア大学サンフランシスコ校において博士研究員として働いています(所属などは、インタビュー当時(2023年)のものです)。 

Q1. カールトン研にはいつからどれくらいの期間所属していましたか? 

一回生の夏から学部卒業後までの計約5年間です。


Q2. 現在のあなたのポジション、仕事環境を教えてください。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)でポスドクをしています。 

Q3. カールトン研での研究や経験は、あなたのキャリアにどのような影響を与えましたか?

学部生時代の研究、英語の上達、カリフォルニア大学バークレー校への留学、現在のポスドク探しの全てにおいて必要不可欠な経験です。カールトン研なしでは上記のいずれも達成できなかったといっても全くもって過言ではありません。実験技術や研究知識は言うまでもなく、独特な国際的でかつとても刺激的な環境に影響を受けてバークレー入学を決意し、カールトン研での経験が私のキャリアで常に活かされているのを今でもひしひしと感じています。


Q4. その他、特にカールトン研で印象的だったこと、思い出などあれば教えてください。 

お花見、ハロウィン、クリスマスなどの季節ごとのイベントが多々あります。実験に関しても、質問や困ったことがあれば気軽に相談できるとても過ごしやすい環境です。国外からの研究者や学生の訪問も多いため海外の文化を垣間見ることができ、他の研究室ではできないような唯一無二の経験ができると思います。

🦣